標準地域メッシュを扱うRパッケージを更新しました: jpmesh v.1.0.0
ここでさりげなく触れたのですが、jpmeshという、国勢調査などの統計調査に用いる標準地域メッシュをRで扱うためのパッケージを更新し、CRANにリリースしました。これまで対応していたメッシュのスケールをより細かくし、125mメッシュまでを扱えるようになりました。これにより基準(3次)メッシュの分割地域メッシュに対応したこととなり、バージョン1.0.0としました。以下、主要な変更点と開発話です。
利用の際はCRANからインストールしてください。Windows版も1.0.0が登録されています。
install.packages("jpmesh") library(jpmesh) library(magrittr)
更新内容
これまで、基準地域メッシュと分割地域メッシュの算出には別々の関数を用いる必要がありましたが、1.0.0からは一つの関数で対応できるようになっています。
coords_to_mesh(longitude = 139.71475, latitude = 35.70078) ## [1] "53394547" coords_to_mesh(139.71475, 35.70078, mesh_size = "80km") ## [1] "5339" coords_to_mesh(139.71475, 35.70078, mesh_size = "125m") ## [1] "53394547112"
coords_to_mesh()
は座標から地域メッシュを出力する関数です。引数mesh_sizeで出力するメッシュの大きさを変更できます。初期値では基準(3次)メッシュ(1km)が返却されます。
jpmeshでは、緯度と経度を関数の引数として扱う場合、それぞれlatitude、longitudeとして指定します。出力時には省略形としてlng
、lat
が与えられます。また順番は経度が先になります。経度、緯度の順番なので注意してください。
メッシュから座標を知りたい時は、メッシュの中心座標およびメッシュの大きさを出力するmesh_to_coords()
を使ってください。メッシュの形状をsfc_POLYGONオブジェクトとして出力するexport_mesh()
もあります。
mesh_to_coords(5133) ## # A tibble: 1 x 4 ## lng_center lat_center lng_error lat_error ## <dbl> <dbl> <dbl> <dbl> ## 1 133.5 34.3333333333 0.5 0.3333333333 export_mesh(5133) ## Geometry set for 1 feature ## geometry type: POLYGON ## dimension: XY ## bbox: xmin: 133 ymin: 34 xmax: 134 ymax: 34.66667 ## epsg (SRID): NA ## proj4string: NA ## POLYGON ((133 34, 134 34, 134 34.6666666666, 13...
隣接するメッシュコードや、スケールダウンした時に含まれるメッシュコードを出力する関数も整備されました。この関数は地味に便利で気に入っています。
coords_to_mesh(133, 34, "80km") %>% fine_separate() ## [1] "513311" "513312" "513313" "513314" "513315" "513316" "513317" ## [8] "513318" "513321" "513322" "513323" "513324" "513325" "513326" ## [15] "513327" "513328" "513331" "513332" "513333" "513334" "513335" ## [22] "513336" "513337" "513338" "513341" "513342" "513343" "513344" ## [29] "513345" "513346" "513347" "513348" "513351" "513352" "513353" ## [36] "513354" "513355" "513356" "513357" "513358" "513361" "513362" ## [43] "513363" "513364" "513365" "513366" "513367" "513368" "513371" ## [50] "513372" "513373" "513374" "513375" "513376" "513377" "513378" ## [57] "513381" "513382" "513383" "513384" "513385" "513386" "513387" ## [64] "513388" coords_to_mesh(133, 34, "80km") %>% fine_separate() ## [1] "513311" "513312" "513313" "513314" "513315" "513316" "513317" ## [8] "513318" "513321" "513322" "513323" "513324" "513325" "513326" ## [15] "513327" "513328" "513331" "513332" "513333" "513334" "513335" ## [22] "513336" "513337" "513338" "513341" "513342" "513343" "513344" ## [29] "513345" "513346" "513347" "513348" "513351" "513352" "513353" ## [36] "513354" "513355" "513356" "513357" "513358" "513361" "513362" ## [43] "513363" "513364" "513365" "513366" "513367" "513368" "513371" ## [50] "513372" "513373" "513374" "513375" "513376" "513377" "513378" ## [57] "513381" "513382" "513383" "513384" "513385" "513386" "513387" ## [64] "513388" coords_to_mesh(133, 34, "500m") %>% find_neighbor_mesh() ## [1] 513299894 513299903 513299904 513299992 513299994 513300001 513300002 ## [8] 513300003 513300004
開発よもやま話
rlangがわからんぐ
あまり理解せず、雰囲気で導入しています。
例1 (この関数は廃止されています)
ddd <- function(var = "Species") {
my_var <- rlang::enquo(var)
iris %>% dplyr::select(!! my_var)
}
ddd() %>% names()
## [1] "Species"
ddd(var = "Sepal.Length") %>% names()
## [1] "Sepal.Length"
vars <- c("Sepal.Length", "Petal.Width")
ddd(var = vars) %>% names()
## [1] "Sepal.Length" "Petal.Width"
ふむー。
雰囲気で(略
uribo、purrlyrやめるってよ
Rユーザとして尊敬する id:yutannihilation
がpmap()
を使えって言っているのでそうします(なんという意志の弱さ。ちなみにpurrrlyrパッケージが推奨されない理由についてはRラジオ#1でも触れています)。
purrr::pmap()
については、挙動を覚えたと思ったら別の機会で利用した際は完全に忘れていたり、あれこんなんだったけと勘違いすることもあるのですが、試行錯誤で徐々に慣れていきたいです。ちなみに、めちゃ便利です。
試行錯誤しながらもクセがわかってきた。変数名と引数名の一致と...が肝とみた。purrrはこういう楽しみがあって好き(イヤイヤ💦) pic.twitter.com/yl9NRngHMu
— Uryu Shinya (@u_ribo) November 20, 2017
次期バージョン
早くも(?)次期バージョンのスケジュールがスタートしています。一件一件の出力では問題ないのですが、扱うレコード数が多いと処理に時間がかかるので(特にポリゴンの出力)Rcppでの実装により高速化を目指したいです。
バグ報告や機能改善・追加などはGitHub IssuesあるいはTwitter経由でお伝えいただけると幸いです。