まだ厨二病

RとPyhtonを使ったデータ分析・統計解析らへんの話題をしていくだけ

Rおじさん、Pythonistaになる

こちらをご覧ください。踏み絵ではありません。R上で地理空間データを扱うPythonモジュール、geopandasによる作図を行なっている画面です。

f:id:u_ribo:20170716094903p:plain

え、RでPythonを!?と驚かれる方もいるかもしれませんが、reticulateというRパッケージを使うことで、ほぼストレスフリーでPythonのモジュールや関数がR上で利用可能になります。先の図は次のコードによって実行されました。

library(reticulate)
# モジュールの呼び出し
gpd <- import("geopandas")
plt <- import("matplotlib.pyplot")
# サンプルデータの読み込み
world <- gpd$read_file(gpd$datasets$get_path("naturalearth_lowres"))
# データセットの確認 head(world)
# ではないので注意
world$head(n = 3L)
# 作図と出力
world$plot()
plt$show()

reticulateはRStudio社が中心となり開発されている、Pythonのモジュール、クラス、関数をRで利用可能にするRのパッケージです。

R Interface to Python • reticulate

CRAN - Package reticulate

先ほどのコードを振り返りながら、reticulateでできることを見て行きましょう。参考のためPythonでのコードを併記します。

import geopandas as gpd

world = gpd.read_file(gpd.datasets.get_path('naturalearth_lowres'))
world.head(3)
world.plot()

Rで言う所のライブラリ(パッケージ)、Pythonモジュールはimport()関数を使って呼び出します。Pythonと同じ関数になっているのでわかりやすいですね。

gpd <- import("geopandas")
# Rのclass()でクラスを確認。Pythonモジュールとして扱われている

class(gpd)
# [1] 'python.builtin.module'
# 'python.builtin.object'

読み込んだモジュールの関数を使うにはモジュールオブジェクト中で$演算子を使って参照します。これによりgeopandasモジュールのサンプルデータをオブジェクトとして利用可能にします。次のコードの最初2行を見る通り、Python.をRでの参照機能をもつ$演算子に置換しているだけです。これはとてもわかりやすいと思います。

world <- gpd$read_file(gpd$datasets$get_path("naturalearth_lowres"))

world$head(n = 3L)
# continent gdp_md_est geometry \ 0 Asia
# 22270.0 POLYGON ((61.21081709172574
# 35.65007233330923,...  1 Africa
# 110300.0 (POLYGON ((16.32652835456705
# -5.87747039146621...  2 Europe 21810.0
# POLYGON ((20.59024743010491
# 41.85540416113361,...  iso_a3 name
# pop_est 0 AFG Afghanistan 28400000.0 1
# AGO Angola 12799293.0 2 ALB Albania
# 3639453.0

# パイプ演算子だって使えちゃう world <-
# gpd$datasets$get_path('naturalearth_lowres')
# %>% gpd$read_file() world$tail(n = 3L)

関数内の引数はR同様、括弧の中で引数名と値の組み合わせを指定します。

world$plot()

普段慣れている$演算子による操作が行えるので、Pythonも怖くないですね。さらにRStudioを使っていると下の図のように、入力補完やドキュメントの内容(引数含めて)を表示してくれるので、Pythonに慣れていない私のような人間でも安心ですね。学習が捗りそうです。

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しっかりとドキュメントを読みたいときは、py_help()を使います。ここでもRStudioを使っていると、ドキュメントの参照が手軽で良いですね。

py_help(world$tail)

Python環境の切り替え

Pythonを使っていて悩ましい問題の一つが、2系と3系を始めとした複数環境の切り替えです。reticulateではuse_python()を始めとして、condaや仮想環境下のdocker(bhaskarvkさんの野心的なプロジェクトを参照)でのPythonも実行できるようになっています。例を見てみましょう。

実際のPython環境の切り替えは、Rのセッション中にimport()が実行されたタイミングで行われます。そのため次のコードは一度Rセッションを終了してから再度実行しているものになります。

sys <- import("sys")
sys$version
# [1] '3.6.1 |Anaconda 4.4.0 (x86_64)|
# (default, May 11 2017, 13:04:09)
# \n[GCC 4.2.1 Compatible Apple LLVM 6.0
# (clang-600.0.57)]'

library(reticulate)
use_python("/usr/bin/python")
sys <- import("sys")
sys$version
# [1] 2.7.13 (default, Jul 15 2017,
# 12:14:18) \n[GCC 4.2.1 Compatible
# Apple LLVM 8.1.0 (clang-802.0.42)]

library(reticulate)
use_condaenv("py36con", conda = "/Users/uri/.pyenv/versions/anaconda3-4.4.0/bin/conda", 
    required = TRUE)
sys <- import("sys")
sys$version
# [1] '3.6.1 |Anaconda 4.4.0 (x86_64)|
# (default, May 11 2017, 13:04:09)
# \n[GCC 4.2.1 Compatible Apple LLVM 6.0
# (clang-600.0.57)]'

どの環境を利用するかには優先順位があるようで、use_*()により指定された環境、Sys.setenv(RETICULATE_PYTHON)でのパス、Sys.which('python')により見つかるパス、慣用的にPythonが配置されるパスだそうです。都度use_*()を実行するのも手間なので、Sys.setenv()に値を記述しておくと良いかもしれません。なお、RStudioでのSys.which('python')の参照先は2系になるらしいので注意です(それでハマった)。

その他にも

reticulateパッケージの良いところは他にもあって、

  • データ型の変換もいい感じに扱ってくれる。
    • タプルや辞書の操作のために専用の関数が用意されている。
  • PythonスクリプトをRで実行、テキストからPythonスクリプトを実行

が代表的な機能です。

RodeoやらPyCharmやら色々とPythonの開発環境を試しましたが、RStudioに慣れすぎていてRStudio依存になってしまっているのでreticulate、すごく助かります。

より詳しいことはRStudioがvignettesを書いているのでそちらを見ていただきたいのですが、nakamichiさんが翻訳してくださっているのでそちらも是非!ちなみにですがnakamichiさんは他にもたくさんのvignettesを多数翻訳していらっしゃいます。

qiita.com

少しずつですが、reticulateによるPythonの利用を前提にしたRパッケージも増えてきました (例 docker, tensorflow, , RQGIS)。今後ますます、RとPythonの連携による実現領域が広がっていくことが期待できますね。Pythonとのインターフェイスを用意してくれるRStudio最高!PythonとR仲良くしようね!

Enjoy!!