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Rを中心としたデータ分析・統計解析らへんの話題をしていくだけ

国土地理院の数値標高モデルデータをラスタとしてRで扱う

国土地理院が提供している「基盤地図情報ダウンロードサービス」の中に「数値標高モデル」データがあります。このデータは、標高のメッシュデータです。標高点格子(メッシュサイズ)が5m、10mのものがそれぞれあります。利用登録をすればデータをダウンロードできます。

基盤地図情報ダウンロードサービス

高精度な数値標高データの公開について|国土地理院

大変有益なデータなのですが、データを閲覧するには専用のビューアアプリが必要になります。しかしこれはWindows専用です。そのため、これまで私は、下記に挙げるような第三者が開発するデータ変換用のツール、QGISプラグイン等を利用してデータを変換していました。

github.com

github.com

一方でこれらのツールはそれぞれ独立しており、Rと組み合わせて使うことはできません。しかし「数値標高モデル」自体はXMLファイルですので、標高値を紐解けばRで利用可能な形式へ変換することが可能です。今日はこの方法を紹介します。すでにPythonを使って同様のことをしている方がいらっしゃり、それのR版ということになります。

www.gis-py.com

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名前空間の衝突をconflictedパッケージで防ぐ

要約

  • パッケージを複数利用すると関数名等の衝突が発生し、意図しない振る舞いを取ることがある
  • conflictedパッケージは、こうした衝突を防ぐための機能を提供する
  • 多少の手間を惜しんでも、衝突の恐れのある関数については名前空間を指定することを勧める

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ggplot2ベースの図から凡例 (legend) のみ得る方法あれこれ

タイトルに書いたように「凡例だけが描画したい」ことが時々あるかと思います(止むを得ずに凡例の位置が図から分断されてしまうときとか)。そんな時には、ここで紹介する方法を使うと良いです。やり方はいくつかあります。ここではgtableパッケージを使う場合の2例とlemonパッケージを使う方法の3通りを紹介します。

⚠️ ggplot2の図の描画に使われているgridシステムやこの記事で扱うgtableとの関係について知りたい人は、毎度おなじみ id:yutannihilation さんの下記の記事を読みましょう。

notchained.hatenablog.com

まずは凡例を含む図を作りましょう🎨

library(ggplot2)

p <- 
  ggplot(mtcars, aes(wt, mpg)) +
  geom_point(aes(color = factor(cyl), shape = factor(cyl))) +
  guides(color = guide_legend(title = "Number of cylinders"),
         shape = guide_legend(title = "Number of cylinders")) +
  theme(legend.position = "bottom")
  
p

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📈gtableパッケージを使う場合

最初の方法では、gtableパッケージを使います。このパッケージではggplot2ベースの図を構成する要素を表形式に整理したgtableオブジェクトに対して処理を適用することが可能です。

まず先ほどggplot2で作ったオブジェクトをggplotGrob()に渡し、gtableオブジェクトを得ます。

p_gtable <- 
  ggplotGrob(p)
class(p_gtable)
## [1] "gtable" "gTree"  "grob"   "gDesc"

オブジェクトを表示してみると、グラフを構成する情報がつらつらと出力されます。ここでname列はggplot2の図のパーツというか、描画に使われている部位を指しており、マッピングが行われる部位だけでなく、背景やタイトルについて確認できます。

p_gtable
## TableGrob (14 x 9) "layout": 19 grobs
## z         cells       name                                           grob
## 1   0 ( 1-14, 1- 9) background               rect[plot.background..rect.3427]
## 2   5 ( 6- 6, 4- 4)     spacer                                 zeroGrob[NULL]
## 3   7 ( 7- 7, 4- 4)     axis-l           absoluteGrob[GRID.absoluteGrob.3388]
## 4   3 ( 8- 8, 4- 4)     spacer                                 zeroGrob[NULL]
## 5   6 ( 6- 6, 5- 5)     axis-t                                 zeroGrob[NULL]
## 6   1 ( 7- 7, 5- 5)      panel                      gTree[panel-1.gTree.3374]
## 7   9 ( 8- 8, 5- 5)     axis-b           absoluteGrob[GRID.absoluteGrob.3381]
## 8   4 ( 6- 6, 6- 6)     spacer                                 zeroGrob[NULL]
## 9   8 ( 7- 7, 6- 6)     axis-r                                 zeroGrob[NULL]
## 10  2 ( 8- 8, 6- 6)     spacer                                 zeroGrob[NULL]
## 11 10 ( 5- 5, 5- 5)     xlab-t                                 zeroGrob[NULL]
## 12 11 ( 9- 9, 5- 5)     xlab-b titleGrob[axis.title.x.bottom..titleGrob.3391]
## 13 12 ( 7- 7, 3- 3)     ylab-l   titleGrob[axis.title.y.left..titleGrob.3394]
## 14 13 ( 7- 7, 7- 7)     ylab-r                                 zeroGrob[NULL]
## 15 14 (11-11, 5- 5)  guide-box                              gtable[guide-box]
## 16 15 ( 4- 4, 5- 5)   subtitle         zeroGrob[plot.subtitle..zeroGrob.3423]
## 17 16 ( 3- 3, 5- 5)      title            zeroGrob[plot.title..zeroGrob.3422]
## 18 17 (12-12, 5- 5)    caption          zeroGrob[plot.caption..zeroGrob.3425]
## 19 18 ( 2- 2, 2- 2)        tag              zeroGrob[plot.tag..zeroGrob.3424]

凡例部位も独立しており、次の処理により抽出可能です。

p_gtable[["grobs"]][[grep("guide-box", p_gtable$layout$name)]]
## TableGrob (5 x 5) "guide-box": 2 grobs
##                                     z     cells                  name
## 99_ba71de4077ba9ca80dafe2aa749ab62d 1 (3-3,3-3)                guides
##                                     0 (2-4,2-4) legend.box.background
##                                               grob
## 99_ba71de4077ba9ca80dafe2aa749ab62d gtable[layout]
##                                     zeroGrob[NULL]

gtableにはこれらの部位を指定して抽出する関数が用意されていて、上記の処理は次のように書き換えられます。また、抽出したgtableオブジェクト(凡例のみ)は、gridパッケージの関数でグラフとして出力できます。

p_legend <- 
  gtable::gtable_filter(p_gtable, pattern = "guide-box")

grid::grid.draw(p_legend)

f:id:u_ribo:20180913224748p:plain

一方でファイルへの保存にはgtableの状態で行います。

ggsave("legend.png", p_legend)

📉lemonパッケージを使う場合🍋

いちいちggplotGrob()にして、凡例のgrobを指定して〜、という手続きが煩わしい場合、lemonパッケージのg_legend()でggplot2ベースの図から凡例部分を取り出すことができます。私はこっちの方法が好みです。

p_legend <- 
  lemon::g_legend(p)

このパッケージを使った場合も描画と保存の処理はgtableの時と同じです。

grid::grid.newpage() # 先ほど描画したオブジェクトを消します
grid::grid.draw(p_legend)

f:id:u_ribo:20180913224924p:plain

あとは煮るなり焼くなりお好みでどうぞ。 Enjoy!